淀江ゆめ温泉

温泉
淀江ゆめ温泉

 今回は鳥取県米子市淀江町にある“淀江ゆめ温泉”を紹介します。

淀江ゆめ温泉 白鳳の里 · 〒689-3411 鳥取県米子市淀江町福岡1547
★★★★☆ · 日帰り温泉

名水の里

 鳥取県の西部、中国地方の最高峰・大山だいせん (標高 1,729m) の山裾を流れる日野川を主流とする日野川水系には豊富な湧き水の泉が数多く点在します。雪解け水が“大山黒ぼく”と呼ばれる火山灰質の土壌に浸透し、長い年月をかけて自然濾過されて湧出する湧き水は極めて清浄で上質な天然のミネラルウォーターとなります。その品質の高さは水系流域に、コカコーラサントリーといった著名な飲料企業がミネラルウォーター工場を複数設置していることからも分かるでしょう。

 そうした大山湧水群の中でも一番有名なのが環境省の“名水百選”に選定された“あま真名井まない”です。大山の北西側の裾野にあり、一日に 2,500t もの清水が湧き出すこの泉は地元でもちょっとした観光スポットになっています(南西に数キロ行ったところにある本宮ほんぐうの泉は湧水量が三万トン/日だそうですが)。その“天の真名井”のすぐ近くにあるのが今回ご紹介する「淀江ゆめ温泉 白鳳はくほうの里」です。

白鳳の里トップ
淀江ゆめ温泉白鳳の里は、鳥取県米子市の源泉かけ流し日帰り温泉施設です。 豊富な湧出量の弱アルカリ温泉は美肌のお湯と評判です。

古代遺跡密集地帯

入り口横にある、弥生時代の櫓をイメージしたモニュメント。

 因みに、施設の名称である「白鳳の里」の由来は日本の古代史のうち、大化元年(645年)から和銅3年(710年)までの時代区分を指す「白鳳時代」に依ります。この施設のすぐ傍で白鳳時代の遺跡である“上淀廃寺跡”が発掘されているのです。道路を挟んで向かい側に、廃寺跡で発掘された遺物を展示する“上淀白鳳の丘展示館”もあります。そもそもこの施設、北側に隣接する“伯耆古代の丘公園”には古墳時代に作られた本物の古墳がありますし、ほんの数キロメートル離れたところには国内有数の規模を誇る弥生時代の大規模集落跡である妻木晩田むきばんだ遺跡もあります。まあこの辺りはどこの地面を掘っても、平気で千年前の遺跡を掘り当ててしまうような地域なのです(苦笑)

お隣はリアル古墳の史跡公園。馬を象った石製の遺物“石馬”もこの辺りではメジャーです。

利用料金

 大浴場の日帰り入浴料金は大人一人 730 円です (2025 年 1 月現在)。十人以上で利用すると団体割引がある模様。回数券や年間パスポート制度もあります。

建物の正面ビュー。

浴場

 男女で分かれた大浴場は屋内浴槽と露天風呂とに分かれています。女性風呂にのみお湯が白濁したシルクイン風呂なる設備があるらしいのですが、おっさんであるわたしには詳細不明です(なんでおフェミな方々はこういうのを「男女差別だ!!」って騒がないの? おぢさんだってシルク風呂に入りたいよ)。内湯側にはごく小規模なサウナと水風呂が備えられていますが、なんと水風呂は“大山の名水”を使用とのこと。そもそも源泉の湧出量が多いので、浴槽は全て加水、循環なしの源泉掛け流しでばんばんオーバーフローする仕組み。名水の里だけあって、お風呂の水質には文句の付け所がありません。

他施設

 施設にはフロント横の売店スペースはもちろん、食事ができるレストラン“ゆめ亭”が併設されています。なんとここの温泉水を利用して陸上養殖した大山名水とらふぐも食べられるとのこと。残念ながら、わたしはまだ食べたことない……。

 また最近、施設の玄関横にある別棟にコーヒーショップがオープンしたようです。それと、ここではレンタサイクルもやってるので、それを借りて周辺の遺跡を巡るのもよいかも知れません。

温泉スタンド

 最近の温泉地だと温泉のお湯をポリタンクで購入してお家に持って帰り、自宅のお風呂で温泉気分を味わえる温泉の源泉販売スタンドがあったりしますが、ここも駐車場の端にあります。しかも、ここの場合、温泉だけでなくふつうの湧水が買える名水スタンドも併設されています。

左が名水スタンド、右が温泉スタンド。

 淀江町には山陰自動車道が通っていて、この施設も淀江 IC から数分でたどり着けるところにあります。 JR 山陰本線の淀江駅から巡回バスを利用して訪れることもできますし、交通の便はいいと言っていいでしょう。実は密かに土日祝日の休日になると訪れる客が多い、隠れた人気スポットだったりもします。

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