今回ご紹介するのは鳥取県西伯郡南部町法勝寺にある法勝寺温泉です。
鳥取県西部地域の中心都市である米子市の南側にあるのが南部町です。その南部町の役場がある法勝寺地域の歴史は古く、山陰地方に初めて敷設された鉄道、法勝寺電車は米子市中心部とここ法勝寺とを結ぶ軽便鉄道でした。現在でも、南部町役場の近くにある町営施設で当時使用された鉄道車両が保管、展示されています。
令和の時代には小学校が三つ、中学校が二つしかない南部町ですが、昭和時代には高校も存在したそうで、かつて法勝寺高校があった場所に今あるのが法勝寺温泉です。
ステルス温泉
南部町を南北に貫く国道 180 号線はこの辺りの幹線国道で、法勝寺地域でもその中央を縦断しています。法勝寺温泉はその国道 180 号線から西に一本入った道路の近く、法勝寺川のすぐそばにあるのですが、問題はそこに至るまでの案内標識、看板が一切ないことです。マジですぐ近くに来ても、どうすればたどり着けるか全くわかりません。

ここはもう、地図を見ながら慎重に道を選ぶほかありません。わたしも過去に何度かここへ足を運んでいるのですが、毎回曲がるべき角を間違えて、一発でたどり着けたことがありません。道路の幅もとても狭いので、 3 ナンバーの大きな車でやってくると、角が曲がりきれなかったりするかも。

無事にたどり着けると、舗装こそされていませんが、広い駐車場があります(裏手に別途アスファルト舗装された駐車場もあります)。

ちなみに、施設の建物にもその名を示す看板はなく、入口にかけられた暖簾に小さく染め抜かれた「法勝寺温泉」の文字で、ようやく場所がわかるレベル。
更にいうとここ、公式のホームページがなく、かろうじて公式インスタグラムアカウントがある程度なので、ネット情報すらあまり当てにできません。ご注意を。
施設内
二か所ある入口のいずれかで靴を脱いで下駄箱に預け、中に進むと食事のできるカウンターがあります。そこで店員に利用料金を払うと、男女別になった浴場で入浴できるシステムになっています。
利用料金
利用料金は大人一人 550 円です( 2025 年 6 月現在)。
浴槽
浴槽はシンプルに内湯と外湯に浴槽が一つずつあるだけ。サウナや水風呂なんて代物はありません。一応、上がり湯をかけられる手桶が置かれたかけ湯はありますけどね。シャワーとカランを備えた洗い場が完備されていて、リンス・イン・シャンプーとボディソープが備えられています。
お湯は透明でさっぱりした感じ。源泉のかけ流しをオーバーフローさせているようです。
露天風呂の壁面に旧・法勝寺高校校歌の歌詞が掲げられているのがちょっと変わったところです。
他施設
なんとここ、施設内に自動販売機すらありません。
ただ、冷蔵ケースで瓶入りの牛乳が冷やされていますから、それを手にとって店員に代金を支払えば、風呂上がりの冷たい飲み物を入手することはできます。

畳敷きの和室が休憩スペースとして解放されていますから、ここでごろりと横になって冷たいフルーツ牛乳を満喫、なんてのもありだと思います(実際、わたしもそうしました)。

少し離れた場所に別館があり、そちらでは食事のほか、宿泊も可能なようです。
余談
ちなみにこの施設、運営しているのは公益社団法人の青年海外協力協会(JOCA)という組織で、「何でそんなグローバルな組織が鳥取の片田舎で、ひっそりと温泉施設を運営しているんだよ!?」と、とても不思議です。

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