今回ご紹介するのは岡山県新見
市にある新見千屋温泉いぶきの里です。
新見市は岡山県の北西部に位置し、西は広島県庄原市、北は鳥取県日野郡日野町に面しています。山陽と山陰とを結ぶ幹線鉄道である伯備線が姫新線や芸備線に接続し、中国縦貫自動車道も通る交通の要衝ではありますが、中国山地のただ中にある田舎の小都市とも言えます。どのくらい田舎かと言えば、「市内にマクドナルドの店舗が一軒もない」と言えばお分かりいただけるでしょうか。
千屋はその新見市内でも一番北側の地域に当たり、「国道 180 号線で明地峠を越えるともう鳥取県」というところです。新見千屋温泉いぶきの里はその明地峠にほど近い国道沿いにある、温泉付きの宿泊施設になります。
冬はスキー、夏はグランピング/キャンプ
古くから千屋では畜産が行われており、名産の和牛は“千屋牛”としてブランド化されています。そもそも中国山地のこの辺りでは和牛の畜産が多く、広島の“比婆牛”や“世羅みのり牛”、鳥取の“東伯牛”など、複数の和牛ブランドが展開されているのです。新見市のイメージキャラクター“にーみん”も千屋牛にちなんで紫色のウシの姿をしています。
千屋が和牛ブランドとともに誇っているのがいぶきの里スキー場です。冬のスキーシーズンとなれば、国道沿いにあるという交通の便のよさを生かして、西日本のあちこちからスキー客がここを訪れます。

また、最近はスキーのオフシーズンにオートキャンプ場やグランピング施設としても展開しているようです。雄大な自然の中にグランピングドームが複数基設けられており、気軽にバーベキューなどを楽しめます。レストランや釣り堀も併設されているので、どの季節も楽しめるレジャー施設となっています。

施設の充実した温泉
いぶきの里にあるレジャー施設の中でも特筆すべきなのが温泉です。宿泊客が利用できるのはもちろん、日帰り客が温泉のみを利用することもできます。大浴場は広々としており、スキーの団体ツアー客が大挙して訪れても大丈夫なように、更衣室には百基以上のロッカーが大量に備え付けられています。
また、身体が不自由な方に対応したバリアフリー設計の特別浴室まで用意されています。
利用料金
大浴場の日帰り入浴を利用する場合の利用料金は大人一人 1,000 円です( 2025 年 5 月現在)。
この施設の利用システムは少々特殊で、まず入り口を入ってすぐのところで靴を脱いで、靴箱に預けます。そして、靴箱の鍵を受付に渡すと、更衣ロッカーの鍵を渡されます。ここまではふつうです。しかし、この時点では利用料金はまだ支払いません。更衣ロッカーの鍵にはバーコードが付けられており、このバーコードを使ってレストランの食事や土産品販売コーナーでのお土産購入の決済までまとめて行えるようになっているのです。そして、最後に退出する際にロッカー鍵を受付に渡して料金をまとめて精算し、靴箱の鍵を返してもらうという料金後払いの仕組みになっています。
大浴場
大浴場はとても広く、複数の浴槽が設けられています。色々な種類のお風呂を愉しむことができます。
場所 | タイプ | 備考 |
---|---|---|
内湯 | かけ湯 | 浴場に入ってすぐのところにある設備。入浴する前あるいは最後に手桶で身体にかける湯が貯めてある |
ふつうの浴槽 | ちょっと熱めのお湯で身体を温めるのに最適 | |
ジェットバス | 浴槽の壁面からバブルジェットが噴き出す | |
ジャグジー | 浴槽の底面全体からバブルが噴き出す | |
サウナ | いわゆる蒸し風呂 | |
水風呂 | サウナの後に身体を冷やす冷たい水風呂 | |
イベント風呂 | 時期によって各種イベントが行われる浴槽。わたしが行ったときは“アヒル風呂”イベントで浴槽にアヒルの玩具がいっぱい浮いていた。 | |
外湯 | 露天風呂 | 岩湯風の装飾が施された露天の浴槽。すぐそばに外気浴用のチェアとベンチが設置されていた。 |
だだっ広い更衣室には化粧台が四つばかりありますが、そこにはドライヤーが置いてありません。入り口近くに別途化粧室があって、ドライヤーやらティッシュペーパー、ヘアブラシなどはそちらに置かれています。
スキーシーズンにゲレンデで冷え切った身体を温めるのにほかほかのお風呂以上のものはまずないでしょう。
他施設

同じ建屋内にあるレストランいぶきで食事を取ることができます。もちろん、自慢の千屋牛メニューもあり(お値段もそれなりにします)。ロビーにお土産品販売コーナーがあり、地元・新見市の産品が販売されています。お風呂上がりに喉の渇きを癒やすのに必要な飲料の自販機は更衣室に一台、ロビーの入口側、靴箱のそばに二台あります。

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